2020年 11月コラム「若者支援 事例 Aさん(当時26歳 女性)」~前半~

いつもお世話になっております。
ツクリベニッセ社長 齊藤です。
11月のコラムは、私齊藤が実際に行った若者のサポート事例を紹介させて頂きます。

Aさん(当時26歳 女性)

Aさんは高校卒業後、管理栄養士になることを目標に栄養関連の大学に進学しました。
栄養士の資格は専門の大学を卒業すれば無試験でもらえますが、管理栄養士はカリキュラム終了後国家試験を受けて合格する必要があります。

Aさんは栄養士は取得しましたが、大学4年時に管理栄養士の国家試験には失敗。
そのショックからどこにも就職できずに大学卒業となってしまいました。

その後Aさんは仕事をしないまま4年を過ごしています。当時何をしていたか聞くと本人は答えたがらなかったのですが、
かなり後になって当時「コスプレイヤー」として活動していた事が発覚(汗)。自分で衣装を作ったりしていたそうです。

大学卒業後4年間のレイヤー活動ののち、彼女は私のところに相談にきました。
このままじゃマズイ…、本当に生きていけなくなる!と自覚し、レイヤーを引退。

私のキャリアサポートは、まず初めに必ず「本人の好きな事」を聞きます。正社員で好きな事を仕事にする事は簡単ではありませんが、
アルバイトくらいなら可能性も高まります。

Aさんが好きなのは、幼少期から続けていたバレエ。幼少期から今もずっと続けているとのこと。自分が踊る事も劇場に観に行く事も好き!
そこで私はバレエに関わる仕事を探し始めました。しかし、今からプロのダンサーになることは難しい。

だったらという事で、バレエの周辺に携わる事ができる仕事をピックアップしてみました。
そこで行き着いたのが劇場のチケットセンターの案件。チケット販売のお仕事ですね。

Aさんは応募書類作成と面接練習をしっかりやって、見事渋谷の大きな劇場に一発合格。人生初めてのアルバイトに就くことになりました。
実務経験のなかったAさんは、自分のバレエ経験とその劇場で何度もバレエを観た経験を語り、熱意とやる気で内定を勝ち取ります。
(彼女の好きなバレエ団の団長がその劇場の芸術監督を務めています)

その後もAさんはフルタイム勤務ではなかったので、アルバイト就労後も定期的に私の所に通ってきていました。次は正社員を目指す為に。
毎回「仕事どう?」と確認すると、Aさんの回答はいつも「順調です!問題ないです」との事。

しかしプロのキャリコンとしては、Aさんの回答に逆に不安を覚えたんです。初就労なのにそんなに上手く行くのかなぁ…と。しばらくして私の予感は的中。
いつも通り面談に来たAさん。ブースに入るや否やいきなり大号泣。

話を聞くと、前日に上司から「お呼び出し」をくらい、かなり厳しいお説教を頂いたとの事。具体的な内容はここでは差し控えますが、
私でも「そこまで言うか…」と思うくらい厳しい言葉。

本人も初めての事でビックリしたのと、やれていると思っていた事がやれていないと指摘されショックだったのだと思います。
でも、これは誰でも一度は経験する事なんです!

①ここでポイント1 「己を知る」

どんな人でも自分を100%客観視する事は不可能。耳の痛い事だとしても指摘してくれる人がいる事はありがたい事です。
Aさんはこの出来事を経て、仕事への取り組み姿勢が変わりました。社会で生きていくための強さを身に付けていくようになっていったと思います。

②ポイント2 「素直な心を持つ事」

Aさんはあれだけ厳しく叱られても、決してその上司の方を批判しませんでした。自分が甘かった、そして私に今後どうしたらいいのか
素直に聞いてきました。年長者の意見、例え受け入れにくいものであったとしても一旦は飲み込んでみる。

素直な心を持つ人は必ず伸びていきます。それ以降、必死に仕事を頑張ったAさん。その間、Aさんは泣き言を一切言いませんでした。

最近は人間がどんどん弱くなっていって、すぐに「メンタルが…」と言い出す若者も増えました。もちろん過酷な労働の中で精神を病んでしまう人たちもいます。
でも、私は最近のメンタルが…の人たちには「甘え」が入っている人たちも多いと感じています。

そこの見極めがキャリコンにとって一番難しい。自分だけが被害者で辛いと思い込んでしまう。ぶっちゃけみんなキツいって事を理解する必要があるんです。

 

続きは来月のコラムで報告します。

株式会社ツクリベニッセ
取締役社長  齊藤貴之

 

2020年11月14日